【読書ログ】書く力 私たちはこうして文章を磨いた
渋谷の啓文堂書店で見つけた一冊。
この手の本は、ついつい買ってしまう。
テレビでおなじみの池上彰と読売新聞の編集手帳を担当している竹内政明が、自分の考えている文章の書き方を対談方式で語っていく。
丸谷才一・谷崎潤一郎が書くような、おかたい文章読本ではない。
竹内政明さんは、この本を読んで、初めて知った。
詩・短歌・俳句などを用いてその日おこった出来事を綴る「編集手帳」を14年執筆している。日本記者クラブを受賞されているとのこと。
編集手帳を初めて読んだ。竹内さんの書く文章が好みだ。
「一件関係ない書き出し」
次に、「タイムリーな出来事への展開」
最後に「書き出しと結びのブリッジ」
短く無駄のない文章の中に、うねるような展開があり、そう来たかと思わせる爽快感が気持ちいい。だから、また読みたくなる。
そんな竹内さんが本の中で語っているいい文章を書く方法を少しだけ紹介させてほしい。
・文章は、引き出しの量に左右される
・うまく書けそうななテーマを選んで書く。別の言い方をすると、「自分のわかっていることを書く」
・結論よりもまずは「書き出しを」
・背伸びをしないでありのままでかく。
これからは、文章を書くテクニックを載せていく。
・感情は抑える。激しい感情を書きこんでも、読者はしらける。
・ツッコミを先回りする。(例えば、説教臭い物言いになるのを抑えきれないでいる。とか)
・怒鳴られた、怒られた、励まされたという話は一切省略されている。ー中略ー読者がそれぞれの体験と結びつけて想像してくれたほうが下手に書き込むよりも、ずっと鮮明なイメージを読者の頭のなかに残せる。
・版画でも、全部掘ってしまうと印刷したあと、何も浮き上がってこない。余計な場所は削らないようにぐっと我慢する。掘るべきところだけを、表現を凝らして掘る。これは、文章も同じ。
線を引いた箇所を書き出してみて思う。大事なことは繰り返し語られ続ける。
最後に、「対談を終えて」というあとがきがある。
これもまた、秀逸。
第三十二集も購入しよう。